すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

「振り込めない詐欺」の解消へ向けて

今朝方インターネット上で、なかなかに興味深いできごとが発生していたようです。当たり前だけどー、寝てた。べっ別に、歴史的イベントに参加出来なくって残念ってわけじゃないんだからね!

動画で中継できるUSTREAMというサービスがあるんですが、今(早朝4時半くらい)、okadaさんという方が自室からDJプレイを中継しています。

その同時視聴者数が、とんでもないことに!

平日の4時半に、2200人近くの人が、彼の素晴らしいプレイを共有しているんです。


最終的には2300人近い人がokadaさんのプレイを見ていたようです。

で、これで歴史が変わるか?っていうと、ぼくは変わらないと思うんですね。今回のこれ自体は歴史に残るものと思うけれど、一回性のものだと思う。理由は簡単で、DJの人にお金を払う仕組みが存在しないからです。そりゃ、反応やら、リスペクトやらは、届くでしょうけれど、それじゃ食べれないですからねぇ…。こういうのが増える!これからはこう!とは思わない。


少し前に「クリエイターにベーシック・インカムを、そして著作権をフリーに。」ってエントリを書いて、そこで「簡単にお金を送れる仕組みが要る」と主張したとき、こんなふうなブクマコメントをもらいました。

kadotanimitsuru「クリエイター」に限ったらBIでも何でもないだろが。/はてな使ってるんだから投げ銭には「はてなポイント」を思い出そうよ。既に在るものを無視して新たに「発案」するのは間抜け。


わかってないなぁ、のひとことに尽きる。あるから使え、ってのは技術者的発想なんだろうか。はてなポイントが使い物になるんだったらみんな使ってます。まともに機能してないから、新しい仕組みが要ると言ってるんです。

単純に、あんなかったるいシステムではユーザはやってらんないんですよ。わずかなポイントを送るのにどれだけの手間を掛けさせるのか。あらかじめポイントの購入が必要で、相手にもはてなのIDを要求し、実際送るまでに何度OKを押さなくてはならないか、知ってて言ってるのか? アマゾンがなぜワンクリックで商品を購入できるのかわかりますか? 間に画面が挟まるたびに、客が「正気に戻って」購入を取り止めてしまう確率が急上昇していくからですよ。

だから、人から人へ少額のお金を送る仕組みは、でき得る限りシンプルにしなくてはいけない。そうしないとお金は流れない。送り先の人のwebを見ると、送金額を選べるメニューと送金ボタンが設置されてる。そのくらいが理想ですね。自分で金額を指定する仕組みしか用意されていないと、おそらく「キーボードを打つ必要があること」「金額を自分で決める必要があること」によって、送金される確率が下がるはずです。そして、クレジットカードや銀行口座から直接お金が落ちる仕組みは、必須、です。送ろうと思ってポイントが空だったらそこでやめちゃうでしょ?


つい最近、こういうようなサービスが発表されました。

 Twitter創業者のJack Dorsey(http://twitter.com/jack)の新事業「Square」(http://squareup.com/http://twitter.com/Square)が発表された。衝撃的な内容であった。「アメリカのセレブがやればこれもアリなのか!」という強烈な衝撃である。

 現在判明しているSquareの基本ビジネスは、

製造原価1ドル以下といわれる、マイクロホンジャックに差し込む磁気カードリーダーをiPhoneに差し込んで、クレジット決済サービスを個人間に開放する。

というものである。Dorsey氏の言及によれば、この磁気カードリーダーは無料で配布する予定らしい。


iPhoneと、無料の専用カードリーダーさえあれば、個人間でカード決済をすることができるという。いずれはコミックマーケットで同人誌をカードで買えるようになるのかもしれません(会場で携帯の回線が繋がりさえすれば、ですが)。

このサービスではまだお金をやりとりする個人同士が直接顔を合わせる必要がありますが、それはユーザインタフェースの話で、その裏側で「個人間でお金をやりとりする仕組み」が構築されてることが重要なんだと思うんです。どうせ決済データはネットを伝わって流れるんだから、家のPCにカードリーダーが付いてる仕組みにすげ替えることもできるはずです。まぁ、そういうふうに、いずれはなる、と思う。だってそのほうがさらに便利で、さらにお金が回っていくようになるから。


会社に入った頃の話ですが、飲み会で先輩におごってもらって、「次回はぼくが払います」と言ったところ、そんなのいいから、君は君に後輩ができたときにその後輩におごってやれ、自分もそうだったのだ、と言われました。この時に回っていたのは実はお金じゃなくて、愛とか優しさとかスマイルとか、そういった類のものだったんだと思うんですよ(ぼくは夢や理想も語ることができるんです(笑))。

ほんとは、お金もそういうふうにぐるぐる回るものであるといい。すばらしいDJのプレイを目撃した人が、優しい気持ちになって、誰かにおごってあげたりとか寄付したりとかちょっと多めに払ったりとか、そうして、それが巡り巡ってDJの人に届けばいい。でもそんな美しい社会には、いまの人類が生きてるうちには到達できないでしょう。この人類には、無理。だから簡単な小額決済の仕組みを整備することは、非常に重要なのだ、とぼくは思います。