すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

日食の朝

ぼくの住む神田はビルばかりですので、まず日食をどこで見るのかというのが最初の問題でした。話題となったiPhoneの『金環食2012』というアプリで、日曜日のうちにシミュレートしてみたのですが、東西に走る大きな道路の真ん中に立たないと見られない。そんなじゃ危なくてしょうがないわけです。

万世橋の上で神田川上空に浮かぶ太陽を見るのはどうだろうと思ったのですが、アイデアは良かったけど少し遠い。結局、靖国通りを跨ぐ歩道橋の上がベストポイントと結論付け、目覚まし時計を30分早く仕掛けて寝ました。

さて、朝起きて、燃えるゴミの袋を持って外に出たら、ほんの少しだけ日向になっている場所があり、そこに近所に住んでるらしいおばさんが立って、サングラスをして東の空を見上げていました。要するに、日曜の朝に早起きして、そうやって日向ができる場所を確認しておけば手間が省けたわけですが、そんなことにやっと気づいたわけです。

ぼくは日食グラスは買っていませんでした。あんなに見え方が変わってしまうものを通して、どう見えるかもとっくに判っているものを改めて見て、見たと言えるのか。そう思ってしまったのです。せっかくの数百年ぶりのイベントだし、裸眼で見ればいいやと考えました。そして運のいいことに、当日の朝は雲の量がちょうどいい具合で、まぶしすぎることもなく、金環をはっきりとこの目でみることができたんでした。光が滲むらしく、TVの中継よりリングはずっと太く見えました。



残念ながらiPhoneで撮った写真では露出オーバーで日食なのかなんなのかわかりませんが。こんなふうに、ほんとにビルと電線の隙間からかろうじて見える状態でした。食が最大となる時間を過ぎて家に戻り、ほぼいつもどおりに出社準備をして会社に行きました。目の奥には焼きついた緑色の輪がいくつか残っていましたが、しばらくしてそれも消えました。まぁ多少ダメージ受けたとしてもあと15年も運用すればいい身体だしねーとか思ってはいたのですが。