すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

人間の負け


世界でいちばん囲碁が強い人間に、AIが2連勝しました。3番勝負なので、AIの勝ち越しです。AIに囲碁をやらせる試みは、ここでひとくぎりというわけです。

囲碁、これからどうなるんですかね。端的に言えば「機械vs人間なら機械が勝つゲームの、人間同士の対戦をぼくらは見たいのか」ということになります。弱い者同士の対戦。「走るより自転車のほうが速いじゃん」というやつとは違いますよね。走るのがクッソ速い人種が突然現れて、どのレースでもそいつが勝ってしまうような状況です。自分で走るのが楽しいんだ、っていう人たちは趣味として残るでしょうけど、ジャンルとしては衰退してくのではないかなー。

いずれ囲碁、AI同士を対戦させて、人間にはほとんど意味が解釈できない一手一手を「ああ……」「おお……」と声をもらしながら眺めるとか、そういう神託っぽいやつに変わっていくんじゃないですか。冗談ですけど。ていうか今ですら囲碁の盤面見て意味がわからないですけどねぼくとか。

格調高いWIRED様の記事なので、人間は大切、人間は大事、といった感じでまとめられております。そうかねぇ、とぼくは思います。人間を超えてしまったので、基本的にはこれ以上人間とやっても強くなれないわけです。AIはもう自分と対戦するしかない。まぁAIにはまだ手足がないし電気ももらわないといけないので、誰かがおもりをしてやらなくてはいけません。そういう意味ではこれからも人間は必要ですが。

しかし、これ以上強くすべき理由も、ない気がします。人間の強さを100として、今回AIが101の強さで勝ったのだとします。それをどんどん推し進めて、120の強さになった、150の強さになった、ということが起きても、どうなんだそれってやつです。そういう意味でひとくぎりかなと。新しい手筋が発見されて、趣味でやってる人間の棋士にフィードバックされることはあるでしょうけど、そのくらいしかないのじゃないか。

AIが勝つ理由は、おそらく人間より空間的・時間的に広い範囲を見渡してるからじゃないかな、と思います。人間はたぶんそれが狭い。打たれた瞬間は意味がわからないけど、あとになってものすごい効いてくる手があるとかいいますしね。そしてぼくのこの推測が正しいとすると、究極的にはなにをやらせても人間よりAIのほうがマシ、ということなります。どうかなー。まぁAIにいろいろやらせる試みは面白いのでどんどん進めてほしいです。


追記:【悲報】AlphaGoさん、あまりに強すぎて対局中に柯潔九段を泣かしてしまう。全勝で幕 : IT速報

第3戦もAIの勝利で終わったようです。途中泣きながら打ってたらしい。まぁある意味全人類の希望を背負ってたわけですし。