すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

Boot me up.

「ちこくッ、ちこく〜〜ッ!」なんて叫びながらあたしは真新しい制服におおいそぎで着替える。それが転校初日なら、目覚まし時計が狂ってるなんてもう必然。階段を1段抜きでダンダン駆け下りると「女の子が──」と母の声。キッチンに飛びこんでテーブルからトーストを1枚ひっつかんだら玄関へ。バン。ドアを開ける。まぶしいに決まってた、なんかを予感させる? 「イっへひま〜フッ!」とトーストをくわえたままで、「車に──」と母の声。スカートのひるがえりも気にせずダッシュするしかなかった。自己紹介、どうしよ? 人は第一印象ねーって走って走って曲がり角。曲がり角だ。それを避ける理由をあたしは持ってない。ていうか、そもそも避けるなんて発想がどこから? そのまんまのスピードで進入ッ。『ごい〜〜〜んんッツ!!!』 あ。あーあ。メからホシ。暗転。バタリ。 ………。 …………………………。 …………………………。 ……………。 ……。 『もしもし』 ゆさゆさ。『もしもーし』 「むにゃむにゃ、もう食べられないッス……」 『違うでしょ、もしもし。だいじょうぶ?』 ゆさゆさ。ゆさゆさゆさ。「頭を打った人をそんなにゆすっちゃだめだよう……」 『わかったから、起きて起きて。ここで寝てると邪魔だよ?』 「うん……」 ああ、出会いガシラね。なんだか、道の向こうに女の子が倒れてる。あたしと同じ制服だ。そしてパンツ丸見せだ……あっ!? あたしは自分のスカートを押さえようとして『ぐにょ』なにやら異物の感触を得る。え。ズボン?って学生服? あれ。ええ?? 『……きゃああああああぁああああぁぁあああぁぁぁああああ(男声)』


こんなですか。「転校生激突モノ」ノーマルヴァージョンのオープニングは。

そして、満ちルによる、激突モノ変奏その1。

A子とB男が大激突。そこまではいい。だがしかーし、ショックで2人とも記憶喪失になりました。過去をまるごとなくしてしまった2人。それぞれの家族の元で、すこしずつ、自分がどんな人間であったか教えられていき、元の生活を取り戻そうと頑張ります。悩み、苦しむ2人。支え、励ます家族、そして友人たち。このへんすっげーヒューマンでドラマで、もう日本アカデミー賞が取れそうな気がしたくらいだったんですけど、書く時間がないので省略。同じ境遇のA子とB男は時に慰めあい、時にケンカしては仲直りして、しだいに惹かれ合っていきます。そして月日が流れ、ついに、あたらしい人生を一緒にやり直そうと決意するA子とB男。2人はめでたく結ばれます。周囲の祝福。ハッピーエンド………は? なわけないでしょ。ある日、A子はバナナの皮ですべって転びます。B男は豆腐の角に頭をぶつけます。事故から数年が経って、やっと記憶を取り戻す2人。しかし、A子に戻ってきた記憶はB男のものでした! 単純な記憶喪失ではなく、「2人が入れ替わり、かつ、2人とも記憶をなくした」状態だったのです。実はB男だったA子。A子だったB男。自分はA子だ、A子なんだとずっとずっと言い聞かせて、やっと納得できた「わたし」を突然に襲うアイデンティティの喪失。戸惑う2人、家族に友人。ここからが最高に面白いんですが書く時間が(ry


誰がその人であるか決定づける要因は、身体じゃなくて記憶です。転校生激突モノはそうですよね。「目が覚めたら、自分の体なのに、なぜか他人の記憶が入ってた」なんて思うハズがない。それは不可能、「記憶」が「その人」なんです。記憶からその人が立ち上がる、ブートされると言ってもいい。でももし記憶がなければ、身体からその人であるとする(あるとされてしまう)ほかないでしょう。そこを逆手に取ってみました。(これ、誰かちゃんと話にしてくれないかなぁ。アイデアの権利は放棄するんで、完成したら送って下さい。というかもう誰かが考えてたネタだったらすみません)


この記事は続きます。