http://anond.hatelabo.jp/20090425000157
これは良エントリですね。
戸田誠二さんのコミックス「唄う骨 (Bunkasha comics)」の中に、「アオカミ」という、“人を傷つけることでしか自分を癒せない”青年が出てくる30ページほどの話があります(グリム童話の「青ひげ」を下敷きにしていますが、全然違った話です)。
彼は自らに悩んだ末、ひとりだけ殺して自分も死のうと決意して、性癖を隠したままある女性と結婚します。そして彼女を殺そうとするのですが、間一髪駆けつけた彼女の兄たちに阻止され、結局自害することになります。
その時の青年の最後の叫びが沁みるのですよ。
「……あんたたちはいいよな 騎士だの学者だの 人に賞賛されるユメでよかったよな」「オレはなんだ オレはなんだ!」「オレは生まれてきちゃいけなかったのか!?」
この話が好きです。そしてぼくにしては珍しくネタバレ全開で紹介してますが、それはこの作品の「よさ」がぼくの文章では絶対に伝わらない自信があるからです。ぜひ本を手に取られることをお薦めいたします。