すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

穴と棒とのトポロジー

昨日のコメント欄でkanoseの人に教えてもらった「やおい穴」。Wikipediaのボーイズラブの項にやおい穴の説明があり、とてもよく理解できました。少し長いのですが引用します。

ボーイズラブの物語の書き手(女性)が描く性行為の場面において、攻め側が挿入する受け側の「穴」として使われることがある。生物学上存在しないファンタジーであるために便宜上こう呼ばれる。"変な穴"、"謎穴"、"男処女穴"、"妄想の穴"、"腐女子穴"とも。また、肛門に続く位置付けから"第二の穴"、女性器、肛門に続く位置付けから"第三の穴"とも呼ばれている。この穴はボーイズラブの歴史において初めから存在するものではなかったとされている。以前から腐女子はベッドシーンの描写欲はあったものの、肛門への挿入に異議を唱える者も少なくなく、愛撫描写後はベッドから夜が明けた窓の外を映すという抽象的表現で終わらせることが多かった(これを朝チュンと呼ぶ)。そんな中、女性器、肛門に続く第三の穴として提唱されたのがこの"やおい穴"だった。これは肛門肯定派も否定派も取り込む事に成功し、ボーイズラブの性行為におけるスタンダードとして現在も利用されているファンタジーである。しかし、そのファンタジックな存在が、恋愛に〈ファンタジー〉を求める腐女子に受けて普及したものと考えることもできる。映像美の観点から、わざとそのような「穴」の存在を感じさせる体位で描かれることも多く、感情が高まると分泌液を発したり、場合によっては妊娠もするなど、どちらかといえば女性器に非常に近くなっている。一方で、ボーイズラブ自体がファンタジーでありながら、その現実とあまりに解離した概念、要素に対して、ボーイズラブを好む男性(腐女子に対して腐男子と呼ぶ)の評判はよろしくない。


これを読んで、ああそうか、「やおい穴」と「ふたなり」は対となる概念なんだ、ってピンと来たのです。


『攻殻機動隊』コミックス第1巻第3話“JUNK JUNGLE”より、休暇中の素子をバトーが呼び出すシーン。素子は実は自宅で女性のみ3人での電脳ファック中です。そこに割り込みを掛けたバトーは素子の義体の体感情報をモロに喰らってしまいます。

ぐええええ ハラの中に〜〜〜〜〜 気持ち悪りィ〜〜!!
端末がない器官でよかったぁ〜
ヌルヌルしやがって ナメクジの交尾かおまえは───


直後、バトーは自分の腕を素子に操られて自らの顔面にパンチ。“バトーは自分の体にない器官からの体感情報を脳に受けて苦しんでいる”と士郎正宗お馴染みの欄外注釈。ここでバトーは幸運にも?女性器に指を挿入されるというのがどういった感覚なのか理解できたわけですが、まぁ普通の男性にはそんなものは永遠にわからんわけです。想像するのさえも難しい。だいたいSEXしててもこんなんでホントに気持ちいいんかなーとか心配になってしまうわけですし(それは「やりかた」に自信がないだけじゃないのか……)、エロ絵の場合でも「女性が感じてる状態」を示す情報は表情や声で表現されるものが主になり、やっぱりいまひとつピンとこない(いやまぁファンタジーとしてならなんか吹いてたり巻田音とかもありますが)。そこで、さぁ、「ふたなり」、男性器を生やした女の子の登場と相成るわけですよ。これなら自分にもある器官だから、それに刺激を受けている絵があれば、自分の性器への感覚に置き換えて理解できるわけだ。それにイッた時の描写もやりやすいですし。

……ていうようなのの「裏返し」が、「やおい穴」だろうな。そう思ったんでした。きっと(腐)女子は棒がキモチイイとかがわからんのだろうと。そして、この関係について同じ事考えてる人はいるかなぁ?と思ってGoogleで「やおい穴 ふたなり」で検索したら、トップに出てきたのがなんと似非原さんだったんですよ。


大澤真幸萌え(おまえ) : <美少年>がいるんだと想像してごらん――コプチェクに従って、やおい論


なんか難しいエントリだ(汗 でも太字になっていた部分に限れば、言ってることそこそこ同じですよね? そして似非原さんのエントリの日付が去年の7/17となっている偶然に驚き、先人に敬意を表すために日付が変わってからこのエントリを投稿することにしました。