すべての夢のたび。

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ガン保険の販売が中止されない3つの理由


「原発事故でこれからガンが増えるから、生命保険会社がガン保険の販売を中止する」という、有名人によるツイート。ありそうな話!って思っちゃいます? でも、ちょっと保険のことを知ってれば「ねーよwww」って笑い飛ばせるレベルのネタなんですね。3つの理由を上げて簡単に説明してみます。


まずひとつ。仮に今後ガンの発症が増加するとしたら、問題が起こるのは「既契約」です。もう加入済みで保険料を払い続けている人たちです。これから加入する「新契約」じゃありません。

生命保険会社は「10万人あたりのガンの発症率がこれくらいで〜」とか、いろいろ計算して保険料を決めたわけですから、患者が増えれば予定が狂って、保険金の支払い額が増えて損をする可能性も出てくる。でもそれは、もう契約しちゃった人たちの保険の話で、これから入る人の保険には関係ないです。(もし仮に、経営に影響が出るほど既契約のガン保険の支払いが増加したら? 東電に賠償請求するんじゃないですかねー。結局国民が払うみたいなw)


ふたつめ。じゃあこれからガン保険に入られるとマズいから売り止めする? それもないです。仮にガンの発症率が増えるなら、保険会社は「保険を売るのを止める」のではなく、「保険料を値上げして売る」ということをします。ただそれだけです。

ガン発症の増加率が予測できれば、生命保険会社はそれに見合った保険料を設定するだけです。増加率の予測に幅があれば、より安全な数字で計算するだけです。どっちにしろ会社は損はしないのです。生命保険会社にとってリスクは計算可能なもの。そしてもし仮に、リスクが計算不可能な場合、例えば「当時非常に原発の近くにいた」人などの場合、保険会社は"選択"をします。つまりソレを理由に予め加入を断る、そういうことをします。あるいは、条件付きでの加入を認めるかもしれません。「ただし甲状腺ガンは除く」とか、保険料を通常より割増にするとか。


みっつめです。保険とはそもそも顧客の不安を煽って売るものです。世の中が平和で安定している時には売れないのです。でも現在の日本は「政府と東京電力がタダで生命保険の大キャンペーンをやってくれた」みたいな状況です。今こそが保険の売り時、営業のチャンスなのです。

原発事故でガンになるかもしれない、という将来的な恐ろしさもありますが、もっと直接に、地震や津波によるたくさんの死者をわたしたちは目にしてきました。被災地から遠く離れたところに住んでいる人たちだって「関係ないや」とは思わなかったはずです。「人生ってほんと何があるかわかんないよね」と気付かされた。そこでお客様にご提案させていただきたいのがこちらの商品なんですよ! 万一の!リスクにも!ご家族にも!安心を!お届けできるわけなのに、今売らないでいつ売るんだよ?と。


こんな感じですが、ご納得いただけましたでしょうか。まぁもし仮に売り止めがあったとしたら、ふたつめの理由で挙げたような、保険料改訂の為の一時的な販売中止、というケースかもしれません。外資系はビビってそうだから考えられなくはない。でも落ち着いたらすぐ再開すると思いますけどね。