すべての夢のたび。

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なぜ直線は真っ直ぐに見えるのか?


誰と会話してるわけでもありません。思いついたことをぽんと投げただけなので、この前後のツイートもぜんぜん関係ないこと話してたはず。そうかもね?と思った人たちが、favやRTしてくれました。


ヒトの眼は不思議だよな、ということ。


ヒトの眼は機械製品ではないので、スクリーン(ほんとはCCDやCMOSのイメージセンサが例としていいのかも)となる網膜は数学的に綺麗な形をしているわけではありません。ていうか人体の何処にもそんなパーツはないです。レンズである水晶体も同様です。

ここで想像して欲しいのです。スクリーンとなる何かを手作り、まぁ紙をすくんでも粘土をペタペタ伸ばすんでも、板にカンナを掛けるんでもいいですけど、自分で作るとする。レンズもガラスやプラスチックから切り出して、手で磨くとする。で、それで、なにか直線部分のあるモノをそこに映しだしてみる。と、おそらく、スクリーン上に見えるそれは、真っ直ぐっぽくはあるけれどなんだか微妙にうねってるような、そんなようなものになるはずです。

しかし実際には、機械製品でもないぼくらの眼に映る直線は、もうそれはそれはビシッと真っ直ぐです。ぜんぜんうねったりなんてしてません。つまり、脳の中で、ビシッと真っ直ぐに見えるように補正が行われているわけです。しかも、網膜の形もレンズの形もヒトそれぞれなんですから、補正のやりかたもヒトそれぞれのオーダーメイドです。


でもこの話には問題点が残っています。そんな補正をしようとするなら、脳の中にあらかじめ"直線"の基準がなくてはいけない。「"直線"とはこのように見えるはずのものである」ということが解っていて、はじめて微妙にうねってる画像をビシッとキリッとしたものに補正できるわけです。


ではぼくらは最初の"直線"をどうやって手に入れたのか?


歪んだレンズを通って歪んだスクリーンに映し出される映像は、なにもかもが歪んでいます。直線は歪んでいる。直線っぽいけど元からなんかちょっとうねったもの、それももちろん歪んでいる。最初は"直線"と"直線っぽい"の見分けはつかないはずなんです。ほんものの"直線"のほうが歪みが少ないはず? いやわかんないですよ。ぐうぜんスクリーンの歪みに合わせてうねった"直線っぽい"モノを見てしまったら、そっちのほうが真っ直ぐ感が高いかも知れないし。

しかし、なぜか、どうにかこうにかして、ぼくとあなたの直線、誰かと他の誰かの直線は一致しているわけです。一致してしまっている。なんとも不思議なことです。


この「"直線"の見え方」は人間だけのものかも知れません。ぼくらが線路の上に立つ時、2本のレールは真っ直ぐ延びて遠方で合わさるように見える。じゃあぼくらの後ろには、前のほうから真っ直ぐ延びたレールはそのままどんどん広がってるかっていうと、そうじゃないですよね。やっぱり後ろでもレールは遠方で合わさってるのじゃないか。そんな想像をします。

でもぼくらは後ろが見えたことはありません。ところが、うさぎは360度の視界を持っています。

うさぎに線路の上に立ってもらったとき(おそらくレールの間に納まってしまうでしょうが)、彼/彼女にはレールがどう見えるでしょうか。多分、前方や後方はヒトと同じような見え方をする(遠くで合わさる)のではないかと想像できますが、問題は左右です。ここでレールはヒトで言うところの曲線を描かざるを得ないと考えられます。そうするしか、そう"見せる"しか、前と後ろのレールを体の横で繋げる方法がありません。

多分うさぎの世界での"直線"は、自分の体を通るものや遠方のものはヒトと同じように真っ直ぐで、体を通らないものは自分に近いものほど丸く歪んでる、そんなふうなものではないかと思われます。あ、でも、これは両眼が同じ位置にあるとした場合ですね。実際には両眼は少し離れた場所にあるから、例えばうさぎに前後に伸びる直線の上に立ってもらったとしたら、これがどんなふうに見えてしまうのか、もう想像もできません。いや、できるか。それは"直線"にしか見えないはずですw どんな補正が行われているのかが想像できない。


というわけで、脳って凄いよね、って話でした。眼は脳の延長器官ですからね。眼ひとつ取ってもこんだけ不思議なわけですから。