すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

脳をつなぐ

今日もまた、脳の話。

単純な脳、複雑な「私」」231P終わりあたりから引用。よくある、自分の見ている赤は他人が見ている赤と同じ色だろうか?みたいな話の流れから。

 ところで、いま僕がここで話をしていることはやや抽象的で、厳密にはまだ仮説にすぎないわけだけど、でも、もし将来、自分の脳を、他人の脳や動物たちの脳と、人工的につなぐ技術が開発されれば検証できるよね。
 そんな高度なテクニックは、まだまだ未来のSFのような気がするでしょ。ところが最近、ザリガニを使ってだったら、すでに神経系をつなぐ実験は成功したんだ。
 人工シナプスを介して2匹のザリガニの神経回路をハイブリッド結合すると、両者の神経活動を同期できる。だから、僕がいま話題にしているような形而上学的な問題が、科学的な方法で証明されるようになるのも、もしかしたら時間の問題かもしれない。


あはははは。脳科学、ヤバいですね。なんだかスレスレですね(笑)。ここ読んだときはドキドキしました。以前この日記で、2人の人間の脳を接続したらどうなるか、って話を書いていたからです。そのうち実現、しちゃうのかも。

さて、赤ん坊AとBを用意してください(またかよ……)。産まれたばかりの2人に手術を施します。脳に送受信機を埋め込み、2つの脳を接続します。赤ん坊Aの脳に赤ん坊Bの身体の入出力情報をつなぐようにします。Bの脳にもAの身体のI/Oをつなぎます。ただし、AとBを入れ替えるわけではありません。元の身体へのI/Oの他に、もう1体分の情報を入れるのです。赤ん坊Aの体をつねれば、AとBの両方の脳が「痛い」と思い、Aの脳はAとB両方の視覚を持ち、Aの脳はAの右手を動かすこともBの左手を動かすこともできる、Bも同様、という感じです。(人間の脳は90%以上は未使用であると言われてますから、2人分の身体情報くらい余裕で処理できるはずです)

この生き物が口を利けるまでに成長したとき、そこにはおそらく1人分の自我しかないと思います。


2匹のザリガニをつないでも、一緒に踊り出す、ってことはないと思うんですよね。大きな一つの脳が2つの体を制御する、って動きになるんじゃないかなぁと推測します。もちろん、片方の体を驚かしてやれば、そのショックはもう片方に"漏れる"んじゃないかとは思うけれど。

赤ん坊からやりなおすこともないかなぁ。ぼくの脳とAさんの脳を充分な帯域を持つ人工シナプスで接続したら。ぼくはみちアキの記憶とAさんの記憶の両方を利用できることになる。このとき、"ぼく"は、「ぼくはみちアキだけどAさんの過去も知っている」という状態ではなく、「"ぼく"はみちアキであり、同時にまたAでもある」というふうに感じるはずです。なぜなら、自己意識、自分が特定の誰かであるという意識を立ち上げるのは記憶に他ならないからです。そして、接続前は2つあった筈の自我は1つになるでしょう。うまく説明できないけど、そうなる(笑)。接続を解いたらまた2つになるでしょうね。

ザリガニは口を利けないので、どう感じてるのか尋ねられないのが残念です。まぁ自我とかは多分ないと思うんですけど。早く人で試せるようになるといいですね。

ちなみに、最初の、同じ赤を見てるのか?って話。網膜の細胞中の赤色を感知する受容体は、遺伝子のタイプによって敏感な波長が異なるそうです。つまり「これが一番赤い」と感じる色は人によって違うかもしれないということです。同じ赤を見てるのか?という問いの答えは、簡単に言えば「たぶん、違う」。厳密に言おうとするなら、そもそも「同じ」って何をもって同じって言うの?ってところでしょうか。