すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

10の質問

現代社会利用者に10の質問

現代社会利用者とか近未来利用予定者ってなんだろう?という疑問はあるものの、面白いので頑張って回答しました。


0.回答者について
鄯.あなたのHNを教えてください。また、簡単な自己紹介をして下さい。
鄱.鄯.の紹介文の内容が何故あなたを紹介するのに適切だと思ったか、その理由を考えられる範囲で回答してください。
(例えば問鄯.にHNは○○です。学生しています。 と回答したなら何故他の側面でなく「学生であること」を取り上げたのか? これについて考えてください。)

鄯.みちアキ、会社員。
鄱.他に公的な肩書きがないため。


以下、10問の質問に回答してください。尚、回答不能・回答価値が無いと判断する場合はその理由を付記してください。
尚、回答は状況に依存すると考える場合はどのような状況ではどのような回答となるか簡潔に述べてください。

1.生命倫理
鄯.あなたは医師であるとする。担当の現在重症な患者に延命処置を施しているところである。この患者は意識回復の見込みもなく、現在人工呼吸器とその他の補助装置で辛うじて生きているところであるとする。患者は以前から補助装置を用いての延命を希望していなかったが、家族は延命を望んでいる。この場合、あなたはどうするか回答せよ。

設問には曖昧な箇所が多いのでこれだけでは答えられない。例えば、延命措置が長期化した場合、高額な医療費を家族が全て負担できるのか? 延命措置を中断した場合、家族の恨みを買う恐れはないか? また、医師であるわたし自身が殺人罪に問われる可能性はないのか? こういった要素を全て検討した場合、結局ケースバイケースとなり、一般に適用できる生命倫理にはならないと思う。実際にその場に居合わせてみるまで判断できないだろう。

では、このような外的要素が全くないとしたらどうか? 医療費はなぜか問題なし、患者に家族もいない、このことは病院内だけのことで外に漏れる心配なし。どういうわけか「資源の浪費ではないか?」という気分にもならない。さらに、殺しても良心の呵責もないし、殺しても「患者のためには良かった」と思い上がることもない。そして、もし神がいた場合でも、死後の裁きにまったく影響しないと神が言明したら? 患者が延命を希望しないと言ったのなら、延命措置をやめるだろう。

ならば、上記に加えさらに、患者自身が延命を希望しているのかどうかさえ不明だったら?(もしかしたらここからが生命倫理なのかもしれない) そのときはコインを投げて決めればいいと思うが、実際にはあえてコインを投げる理由もないので、おそらく患者は死ぬまで生きることになるだろう。つまりたぶん、こういうケースはない。世界から完全に切り離された生というものはなく、故に生はそれだけでなにかの意味や価値を持っているのだろうと思う。


2.機械と生命
鄯.今から数十年後(設問の本質上、数年後でも数百年後でも構わない)に、ロボット技術の進歩により人間と外見上区別のつかない(知能なども人間に準拠するとする)ロボットが誕生したとする。このロボット達に人としての権利は存在するか?

そのロボットはテューリングテストにパスするのだろうか? もしパスするのなら質問だ。「君は人間か?」 当然、イエスと答えるだろう。だから彼には人権がある。外見上区別が付かないが自分はロボットだと知っているとか、人権はいらないと彼が言う場合、なんか他のことを考えればよいと思うけれど、それはもうわたしの関心の範疇ではない。

実際には、そこまで精巧なロボットでなくても、人間っぽくふるまうものにはそれなりの権利を供与することになると思う。わたしは『どこでもいっしょ』というゲームが好きなのだが、あれに出てくるウサギやイヌに対してさえ、ひどい回答を選択するのはためらわれるのだ。秋葉原を歩いている誰かを監禁し、ギャルゲーをやらせる。登場するヒロインに対し、常に彼女を悲しませる選択をするよう強制する。ゲームオーバーになったら、次のギャルゲーを与えて同じ事をやらせる。これを延々続けさせれば神経がおかしくなるのではないか? ましてや相手がヒトのカタチをしていたらひどい扱いをできるだろうか?

だから多分こうだ。人のようにふるまうものには人のように接さざるを得ない。人権を「与えるべき」とか「与えなくてはいけない」ではなく「与えざるを得ない」ということになるとわたしには思われる。


3.社会観
鄯.あなたはとある国の国家元首であるとする。国内では紛争が多発しており、多数の死者が出ている。これを回避するべく、ある提案がなされた。国民全員を洗脳してしまおうというのである。この提案を実行すれば、倫理的な問題は兎も角、死者を出さずに全ての紛争を停止できるものとする。さて、あなたはこの提案を実行するか回答せよ。

洗脳はしない。理由は以下の通り。

  • 人間の自由意志を阻害すべきでない。学習の機会を奪う。
  • 国家としての勢いがなくなる。紛争のエネルギーは他へ向かうべきだ。
  • 洗脳で多様性がなくなると環境の変化に弱くなるので、やはり国家としてよくない。

教育とは洗脳ではないかという見方については、ここでは触れない。


4.自己と他者
鄯.あなたのクローン(寧ろコピー)が仮に製造されたとする。このクローンはあなたと同一の外見・思考(記憶も何らかの方法で移しこんだとする)を持っている。このクローンが「私こそオリジナルである」と主張した時、あなたはどう回答し、対処するか述べよ。

問題設定自体にやや難がある。わたしのコピーは「私こそオリジナルである」などと主張はしない(笑)。それは端的に無意味と知っているからだ。では仮に、彼が誰かに脅されて、自分こそオリジナルと主張させられたらどうか。わたしの答えは「ふーん」である。<わたし>がここにいる限り、実際に彼の主張通りに彼がオリジナルでわたしがコピーであっても、そんなことは大した問題ではない。まぁ、わたしは悪戯好きなので(故に彼もそうである筈だ)、同じ人間が2人いたらどんなイタズラができるか、一緒に考えることになるだろう。


5.個人の責任
鄯. ある科学者が居るとする。この学者はある非人道的な大量破壊兵器を開発するための技術を保有している。この科学者が大量破壊兵器の製造協力を求められた時、どうするべきか。

わたしがその科学者なら、協力しない。そうでなくても、協力すべきでないと思う。こういう電話が来たとしたらどうだろう。「やぁ、ボク大統領。ちょっとそこにある核ミサイルの発射ボタン押しといて。1発で1億人死ぬ奴だけどね! でもボクが命令したんだからボクの責任だから。よろしくね! あ、命令に従わなかったら後で銃殺だから」 きっとわたしはボタンを押さないで、後でいやいや銃殺されると思う。


6.世界の境界
鄯.仮想世界の実装技術進歩により仮想世界が現実世界と見分けがつかないほど「リアル」になったとする。このとき、この中で行動している人間の経験は果たして「リアル」なものだろうか? あなたの見解を述べよ。参考に故事「胡蝶の夢」を挙げる。

問題文にやや難がある。見分けが付かないほど「リアル」になったら、見分けが付かないのだから、その中の経験は「リアル」に決まっている。リアルでないなら、見分けが付いているということだ。もちろん、質問者のほんとうに言いたいことは解る。わたしの見解は「それはリアルである」である。この現実がそうでないという保証もどこにもない。というよりむしろ「すべてがリアルである」だろうか。


7.時間概念
鄯.ある科学者が何らかの手段で過去に行く技術を開発しました。仮に10年前へ行ったとする。10年前、当時のその科学者は時間旅行技術を開発しようとしていたところであった。過去に行った科学者は、この技術は危険であるとして科学者自身を殺害した。この時、殺害後の10年後はどのようになっているか、あなたの見解を述べよ。また、自分を殺害した科学者はその後どうなったのか予測回答せよ。(自分殺しのパラドクス)

これは並行世界の有無を問う質問だろうと仮定させていただく。そうでなかったら申し訳ない。そうであるとした場合、並行世界が「何によって」分岐するかが問題である。自分自身の殺害などという「大イベント」でしか分岐しないとはとても思えない。(分岐に人間の主観が関わっているとでもいうのか?)

「選択」によって世界が分岐するなら、タイムマシンを作ったが10年前に行かなかった場合、行ったが自分を殺さなかった場合、などでも分岐するはずだ。それどころか、タイムマシンに乗るときに右足から乗るか左足から乗るか、乗って「ふう」と一息つくかつかないか、操縦席に座ってまばたきを2回するか3回するか4回するかでも分岐するだろう。そしてそんな「選択」を日々繰り返している人間が世界に何十億人いるのか。いや人間だけではない。そこらの池にいるミジンコがある瞬間に触覚を動かしたかどうかで世界は分岐してしまうだろう(「あるミジンコがある瞬間に触覚を動かすこと」以外はまったく同じ世界が2つできるのだ(笑))。

こう考えると、一瞬でセカイは「分岐した並行世界」で溢れかえるのではないかと思われる。だからそんなことはありえない、と言っているのではない。セカイはそんな並行世界を全部飲み込んでなおかつケロリとしていることも考えられる。残念ながらわたしには知りようがない。


8.数理矛盾
鄯.「この文章は嘘である」と書かれた紙がある。この文章は果たして事実を述べているのか、嘘を述べているのだろうか?(自己言及のパラドクス)

「この文章は嘘である」がウソなら、この文章はホントだ。この文章が本当のことを言っているなら、この文章はウソということになる。真偽の絶えざる反転。この0と1のパルスが、宇宙において時間を駆動するクロックになっているのではないか?と、ピート*1は言った。面白い着眼点だと思う。まぁ、永遠の相において見れば「真偽が変わり続ける命題」ということでいいのではないだろうか。


9.神と宗教
鄯.あなたは宗教を信仰しているか? 信仰している場合は信仰の理由、神とは如何な存在かを説明せよ。信仰していない場合は、何故信仰しないか説明せよ(無宗教でも神が如何な存在か説明することが出来るものは説明せよ)。

神はお茶で、宗教は茶道である。キリスト教、仏教、ヒンズー教、神道などの諸宗教の差は、茶道でいう「〜家」間の差にすぎない。ある人は茶の心を知るにはルールとマナーが肝要といい、ある人はそんな堅苦しいこと言ってたら美味しく飲めないという。わたしは後者に近いが、決して茶道を軽んじるものではないし、むしろ敬意を持っている。大事なのは、茶道に依らなくてもお茶は煎れられること、煎れ方さえ間違えなければどんな作法で飲もうとお茶の味は大差ない(ましてやカテキンの量は変わらない)こと、緑茶だろうが紅茶だろうがウーロン茶だろうが、おなじお茶の木から採れるということだ。

神についてちゃんと語ると、この回答だけ突出しバランスが崩れる。とりあえず、お茶は健康にいいと思う(笑)。「喫茶去」です。


10.環境問題
鄯.今から数十年後地球環境の汚染が深刻化していった。人々は現代文明社会を放棄(工業活動などを漸次停止して行く)して地球に留まるか、地球外に入植するかの選択を迫られていた。2択を選ぶに当たって、個々人に選択権が委ねられることとなった。さて、あなたならこの2択のうちどちらを選ぶか。

選択権があるなら地球外に行く。これは環境問題とはまったく関係がない。たった今でも、人工衛星を打ち上げるロケットに隙間があるなら是非乗せていただきたい。帰って来れなくても全然問題ない。SF好きならこのくらいの考えの人は結構いるのではないか?


10の質問は以上にて終了です。余力のある方は次の質問に回答してください。

補問.この質問についての質問
第0問から第10問までの問題の不足点を明らかにし、不足と見做す理由を述べよ。
尚、余力がある者は各自10の質問を補完・作成せよ。

回答していて思ったのは「質問の題にあるようなことを本当に問いたいのなら、この質問内容ではちょっとずれてるのではないか?」と感じさせるものが多かったかな?ということです。とはいえ、大変楽しめました。また回答者を唸らせるような質問が出てくることを期待します。ありがとうございました。

*1:

シンクロニシティ

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